相続登記~葬儀屋からの紹介にご注意を②~|枚方市の司法書士あさくら事務所
2022/06/21
相続登記~葬儀屋からの紹介にご注意を②~|枚方市の司法書士あさくら事務所
枚方市司法書士のつぶやき
こんにちは。
枚方市の司法書士、朝倉です。
今年もやっと梅雨入りしたみたいですね。ジメジメ湿気の季節、仕事もなかなかはかどらない嫌な季節です。
日光に弱いこともあって、夏があまり好きではないので、早く秋になってくれないかなと早くも思っている今日この頃です。
さて、前回のブログ記事では、葬儀屋提携の相続手続代行の行政書士紹介を受け、何も分からないまま手続きが進められていった相談例をあげました。(相続登記~葬儀屋からの紹介にご注意を①~参照)
今回は、その話に補足を付け足していこうと思います。
まず、行政書士には、相続登記申請の代行業務の権限がありません。ですので、紹介された行政書士が請け負うお仕事は、相続登記の添付書類となる相続関係図(家系図みたいなもの)や遺産分割協議書の作成のみとなります。
前述の通り、行政書士にはその後の法務局への登記申請をする権限はないので、また別の司法書士に申請のみを外注して手続きを進めていくものと思われます。
※ちなみに司法書士は登記申請する際、相続関係図や遺産分割協議書の作成権限もちゃんとありますので、司法書士への依頼一本で手続を完了させます。
そうすると、今回のケースの場合、普通に考えると、行政書士への手続報酬に司法書士への手続報酬が二重にかかっているので、司法書士へ依頼一本でいくより、余分に登記費用がかかってしまうことになります。
(※報酬形態は事務所によって様々なので、絶対とはいいません。ただ、今回聞いた相談ではかなり余分にかかっていました。)
そして、今回の相談者の方が提示された報酬金額は、行政書士への報酬だけで50万円ほど、司法書士への報酬は別途何十万かかかると言われたそうです。
これはおそらく、相続関係図や遺産分割協議書の作成の他に、財産調査や財産目録の作成等の他の業務を依頼もないまま織り交ぜて、価格を釣り上げているものと思います。
しかしそれを加味しても、異常な報酬金額です。おそらく、その他に葬儀屋へのバックマージンがのせられているんじゃないかと思います。
葬儀屋へのバックマージンとは、葬儀屋から相続手続案件をもらうかわりに、葬儀屋担当者にお小遣いを渡すというものです。いわゆる紹介料です。
司法書士は、倫理規定にて、バックマージンを渡すことは、禁止されています。
第13条
司法書士は、不当な方法によって事件の依頼を誘致し、又は事件を誘発してはならない。
2 司法書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、その対価を支払ってはならない。
3 司法書士は、依頼者の紹介をしたことについて、その対価を受け取ってはならない。
という規定です。
このような倫理規定があるのは、弁護士と司法書士だけです。
行政書士には、残念ながらそのような明記はありません。しかし、同じく不当誘致の禁止規定や品位、公正保持規定があることから、バックマージンに関与することは国家資格業として好ましくないと僕は考えています。
以上のように、何も知らないまま葬儀屋の言う通り、手続を進めていっていたら恐ろしいほどの手続き費用がかかっていたと思われます。
けれども、何も分からないっていうのが普通です。だって、相続手続なんて一生に数えるほどしか経験することないんだから。しかも、身内が亡くなってるんでから、冷静に考える余裕、普通ないですよね。
だから、この記事を見ていただいた方は、頭にこれだけ残しといてください。
葬儀屋さんからの紹介って、ヤバいのあるって誰か言ってたな。
司法書士はバックマージンは禁止されてますが、葬儀屋とズブズブの関係でやりたい放題している先生もいるっていう噂はよく聞きます。証拠がないだけで、バレなきゃいいっていう司法書士はおそらくたくさんいます。
今回の葬儀屋も、とても有名な大手のところです!大手だから安心だということは、葬儀屋にしても司法書士事務所にしてもないと思います。
皆さん、故人をしのび、すっきりとした気持ちで相続を終わらせるためにも、手続を誰かに依頼する際は気をつけましょう!!
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